相手の弱いと思う部分を集中的に攻撃したり、場合によっては、テーブルを叩く、ドアを乱暴に閉める、いかにダメな人間なのかをののしる行為。肉体的な暴力ではない、夫婦間での精神的攻撃はモラルハラスメントに該当します。
これは、DV(ドメスティックバイオレンス)の一種にも数えられています。近年はモラハラに苦しむ女性(男性)が増えており、離婚原因の3位となっているほど、パートナーとの離婚を考える要因として「モラハラ」が重大な問題となっていることは明らかです。
しかし、たまに発生する夫婦喧嘩との区別がつかない方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、モラハラ夫の特徴や対処法について徹底解説いたします。どのような行為がモラハラにあたるのか、自分の夫は「モラハラ夫」といえるのかとお悩みの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
✔モラハラ夫の特徴
✔モラハラに該当する7の言動
✔モラハラがひどくなる前にやっておくべき対処法
もくじ
モラハラは言葉や態度、身振りや文書などによって、人格や尊厳を傷つけたり、精神的に傷を負わせたりする行為とされています。
そして、モラハラを受けている妻は、問題が起きたとき、自分が悪いと思いやすい内罰的な性格をしている人が多いです。夫が怒ると、自分はそれほど悪いことをしていないのに、悪いことをしたように感じてしまったりします。
クライアント様の中には、「悪いことをしていないのに謝ってしまったことがある」と、涙ながらにお話をされる方もいました。「自分が我慢すれば問題が丸く収まる」と考える気持ちもわかりますが、これでは本当の意味で問題は解決されません。
それでは、モラハラになりやすい男性の特徴をご紹介します。ここで挙げる特徴に合致しているようなパートナーであれば、対処法をきちんと考えなければいけません。
モラハラ夫モラハラ夫は周りから自分がどう見られているかをとても気にされる方が多い傾向にあります。
プライドが高く、「仕事ができる」「才能がある」「優秀である」と、周りから評価されたいと常に思っています。実際、世間で「エリート」と呼ばれる方が、モラルハラスメントの加害者になっているケースが多く見られます。
このように、モラハラを引き起こす大きな要因となっているのが「歪んだ特権意識」です。たとえパートナーが相手でも「自分のほうが優れた人間だ」という意識は消えません。
特に、「一流大学を卒業している」「一流企業や省庁に勤めている」といった社会的地位が高い人物は、特権意識が非常に高いためモラハラをはたらきやすい傾向があります。
モラハラ夫の特徴として、何か問題が起こった場合でも自分の非を認めません。
例えば、自分が浮気をしたとしても「浮気させるようなお前が悪い」というように相手のせいにします。また何か問題が起こった際には「俺のおかげで飯が食えているんだろう!」などと話をすりかえる傾向があります。
モラハラ夫は、自分だけが正しく、他者が間違っていると考えます。なので、モラハラを受ける妻は「私が悪かったのかも。」と考えてしまったり、「何を言ってもわかってもらえない。」と諦めるようになってしまうのです。
突然怒ることがあることもモラハラ夫の特徴です。自分の感情をぶつけることで、自分が優位に立とうとするのです。
定期的に怒ることで、夫婦関係に上下関係をつける。例えば、テレビを見ていると突然「うるさい!テレビを消せ!」と、突然怒り出したりします。
モラルハラスメントは家族内という人間関係の中で行われるため、周囲には気付かれにくいのが一般的です。また、見た目はとても穏やかな人である場合が多く、周囲に対しては「いい夫」を演じます。周囲に相談しても理解されないこともあるかもしれません。
さて、モラハラ夫の特徴をご紹介しましたが、あなたの夫は当てはまっていましたか?
モラハラの具体的な行為がわかれば、モラハラ夫との関わり方も楽になると思います。それでは、モラハラに該当する7つの言動を一緒にみていきましょう。
歪んだ特権意識をもっているモラハラ傾向が強い人物は、相手の人格を否定したり、おとしめたりすることに快感をおぼえます。「お前はダメなやつだ」「役に立たないな」といった人格を否定するような暴言はモラハラに該当します。
実際、私が見たモラハラ夫ですが、ふと立ち寄ったスーパーで、買い物をしている高齢のご夫婦がいました。男性はずっと奥さんに向かって「お前は馬鹿だな、本当にダメだな」「とろいんだから、どけよ」と言い続けていました。そして、奥さんは無表情のまま、黙って横に立っていました。
夫婦間だからといって、人格否定や暴言を吐くことは許される行為ではありません。思いやりのない言葉を吐き続けることは、相手の笑顔を奪う悪質な行為です。
モラハラ傾向が強い人物は、自分よりも立場の弱い相手をみつけて攻撃するのが好きです。そして、わかりやすいステータスとして学歴や職歴を見せつけては、自分よりも学歴・職歴が低レベルな相手を見下して楽しみます。
例えば、「高卒のくせに」「三流企業のくせに」といったステータスで他人を推し量るような発言はモラハラ行為の典型です。
学歴や職歴で、他人を見下したり評価したところで誰も得をしませんし、人の魅力はステータスだけでは判断できません。
モラハラ夫は、妻のことを徹底的に見下しています。
育児や家事に協力する意思などはまるでないくせに、「子育てしかしていないくせに」「お前は俺が稼いだ金で生活しているだけだ」と、罵倒してきます。これらは典型的なモラハラ発言なので、この言葉を鵜呑みにして自分を責めることだけはやめましょう。
また、モラハラ夫は子どもにも平気でモラハラ発言をします。モラハラ夫が育児に関わると、妻だけではなく子供にもとんでもないリスクがあるのでご注意ください。
他人の失敗を許せないのもモラハラ傾向が強い人物の特徴です。なにかあるたびに、一度の失敗を持ち出してネチネチと責めるのもモラハラ行為にあたります。
些細なことを理由に数十分、時には数時間にわたって責め続けるなどの行為は、精神的な暴力に該当します。また、声を荒らげるのではなく、一見穏やかな口調で執拗に相手を責め続けるというタイプもこれに含まれます。
なお、モラハラ傾向が強い人は、他人の失敗を責めるのは得意なのに、自分の失敗を認めようとはしません。失敗する姿を見せたくないので、新しいことへのチャレンジを嫌うという特徴もあります。
攻撃的ないやがらせだけがモラハラではありません。パートナーが話しかけても無視をする、自分からは一切話しかけないという無言のいやがらせもモラハラにあたります。
ある意味では直接的な暴力よりもダメージが大きく、夫婦の間に決定的な亀裂が入るきっかけにもなる行為です。
このように無視をすることで、「自分が不機嫌である」ことを妻に伝えます。その結果、妻は「自分の何が悪かったのだろう」と考え、不安になります。そして、夫の顔色を常にうかがう癖がついてしまいます。
これは、「自分の顔色をうかがってびくびくするようにしてやろう」というモラハラ夫の戦略なのです。
モラハラ傾向が強いと、パートナーのことを見下しているため「俺の言うとおりにしろ」「勝手なことをするな」と命じて激しく束縛しようとします。
「どこにいるのかを定時連絡しろ」などと妻の行動を管理しようとしたり、連絡がつかないと「どこへ行ってたんだ」と怒ります。友人などとの外出を認めないといった行為もモラハラの典型例です。
自分のことを棚に上げ、モラハラ夫は嫉妬深いです。妻のスケジュールを管理したり、何度もメール・電話をしてきます。そして、妻の外出について不満だと不機嫌になります。そのため、妻は夫の機嫌を損ねないよう、外出したり知人と会うことを控えるのです。
友人や知人の前で「気が利かないな」「お前に任せるといつも失敗ばかりだ」などと、パートナーを馬鹿にする行為も典型的なモラハラにあたります。
「常に自分がアドバイスをしていないと失敗ばかりする」と嫌味を言ったり、まるで自分が監督をしていないと「人並みにもなれない」といって馬鹿にしてきます。こうすることで、自分の優位を周囲に示して自我を保とうとするのです。
モラハラ夫は、「こいつなら見下してもいい」と人物を見極めて、会話から様子をうかがい、マウンティングを小出しにします。妻が反論できずに言いなりとなれば、モラハラはエスカレートしてしまうのです。
パートナーによるモラハラ行為がある場合は、今後のトラブルに備えて準備を進めておく必要があります。モラハラ被害がさらに深刻化する前に、きちんと対処法をみておきましょう。
特に、今後モラハラ夫との離婚を考えているなら、民法が定めている「法定離婚事由」にあたる要素を確保する必要があります。
モラハラを理由として離婚・慰謝料請求をする場合は、法定離婚事由のうち「婚姻を継続し難い重大な事由」を主張することになると心得て行動することが賢明です。
夫のモラハラ言動が録音された音声データは、モラハラを裏付ける一つ確実な証拠となります。
録音により、その場の雰囲気、相手方の発言の内容、相手方の態度、相手方の発言に対する周囲の返答や反応などの音声が正確に記録されていれば、モラハラの事実が認められる可能性は高いです。
また、実際に壊れた物があれば、証拠として保管しておきましょう。モラハラ加害者に秘密で録音や録画をしても、裁判などで訴訟として使うことができます。
いつ、どのような内容のモラハラを受けたのかをすべて録音・録画で確保するのは困難です。しかし、日記や手帳への記録であれば、夫に隠れて記録することも難しくはありません。
日記の書き方は、「いつ」「どこで」「どんなことをされた(言われた)」ということを、箇条書きでかつ具体的にかきましょう。そして、客観的な事実を淡々を記載するよう心がけてください。あくまで記録なので、メモをしておくという感覚で問題ありません。
日記などの記録を証拠としてつきつけた場合、夫から「そんなものはデタラメだ」「ねつ造したに違いない」と反論されるおそれもあります。しかし、毎日のように詳しく記録していれば、あとでねつ造したとは考えにくいとして信用性が高まります。
つまり、思い立ったときだけメモするのではなく、モラハラに限らず日常の細かいできごとなども併せて記録しておくことが大切です。
どんなに腹立たしい内容であっても、LINEなどのメッセージは消去せずに保存しておきましょう。
特にに束縛タイプのモラハラ夫が相手なら「どこへ行っていたんだ」「連絡をよこせ」といった、束縛の証拠となるメッセージが残っているはずです。束縛タイプの夫であれば、メッセージのほかに何度も電話をかけてきた着信履歴が証拠となる可能性もあります。
いわゆる「鬼電」は束縛の証拠になるので、着信履歴が上書きされないうちにスクリーンショットなどで保存しましょう。
ただし、LINEなどのメッセージや着信履歴は、スマホの機能によって「今日」や「昨日」と表示されたり、時間も「◯時間前」と表示されたりすることがあるので要注意です。
このままではいつ、何時何分にやり取りがあったのかがわからなくなるので、スクリーンショットなどで保存する場合は日時を表示させたうえで記録するように心がけてください。
夫婦共通の知り合いや友人といった身近な人がいる場合は、モラハラに悩んでいることを相談してみましょう。信頼できる人物から指摘を受ければ、モラハラ夫がこれまでの言動を振り返って「間違っていた」と気づく可能性があります。
夫婦間のモラハラでは、どんなに攻撃的な振る舞いや人格を否定するような言葉を浴びせてきても、根本的に「愛している」という感情を忘れているわけではありません。
「俺の言うとおりにしていたほうが幸せになれる」「すべて俺の決断に任せていればいいんだ」といった、誤った考え方が原因になっているケースも多いので、身近な人のサポートによって円満に解決できることがベストです。
ただし、いくら身近であってもお互いの親への相談は最終手段としたほうがよいでしょう。なぜかというと、モラハラ傾向が強い夫は、幼少期に親から受けた愛情になんらかの偏りがあるケースが多いとされています。
親を交えてしまえば「親の前で恥をかかされた」「自分の親を連れて攻撃してきた」と思い、さらに状況が悪化するかもしれません。
また、経済面で法的トラブルに備えておくというのも安心材料の一つです。まずは、モラハラ夫のトラブルから身を守ることが優先なので、モラハラに関する知識を身に付け、具体的な対処法や相談窓口を知り、的確な行動をとりましょうね。
「モラハラ夫の見抜き方!モラハラ夫の7つの特徴と対処法」はいかがでしたか?
モラハラは、想像以上につらいものです。夫婦は対等に尊重し合えるからこそ、幸せな家庭を築くことができます。どちらか一方が、モラハラを受け続けると、「自分が本当にダメな人間なのではないか」と思ってしまうこともありますよね。
そして、モラルハラスメントが治る可能性はとても低いのが実際です。夫が変わることを期待するより、あなた自分が変わることの方が、はやく幸せを見つけられると感じます。
モラハラで苦しんでいて、誰にも相談できないと悩んでいる人は、一度カウンセリングにお越しくださいね。一緒に問題解決の糸口をみつけていきましょう。
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