親御さんから「子どもが家では全然話そうとしない」「質問しても返ってこない」と、子どもとのコミュニケーションにおいて、よくご相談をいただきます。
親子であっても別の人間です。頭では理解できても、思わず手出し口出ししてしまう親御さんは多いのではないでしょうか?実際、親子の交流の場でも、保護者が子どものことについ手出し口出しをして、テンションがかなり低い子どもをよく目にします。
「沈黙」は子どもが考える貴重な時間です。この貴重な時間を親が奪ってしまうのは、子どもにとって大きなストレスになります。それでは、子どもが自ら語り、自信をもって発言できるようになるにはどうすれば良いのでしょうか?
そこで今回は、自信を持って発言できる子どもに育てる秘訣について徹底解説いたします。
✔「沈黙」する子どもの心理
✔親は子どもの「課題」を奪わない
✔沈黙は子供への「プレゼント」だと考えよう
親子での話し合い。子どもが黙ってしまい、話がまったく進まない……なんてこと、ありますよね。親は急かしたり答えを出したくなりますが、沈黙の時間がないと、子どもは落ち着いて自分の中に答えを探しにいけないのです。
考えているそばから、保護者に「で、どうなの?」「こうしたいんじゃないの?」と言われてしまうと、考えること自体が面倒くさくなってしまい、自ら考えることをやめてしまいます。その結果、何か話しかけられても、話さなくなってしまうのです。
コミュニケーションをとっている時の「沈黙」の時間が苦手という方は多いと思いますが、自発性を引き出す対話において、「沈黙」はとても大切な要素です。相手が自分で考え、自分で気付く時間なので、それを奪ってしまうのは、非常に残念な行為といえます。
子どもは自分の答えを求め、考えを整理している時は、どうか辛抱強く、子どもが口を開くのを待ってあげましょう。具体的には、深呼吸3回分、30秒はただ黙って待つぐらいの気持ちです。「長いなあ」「ちょっと気まずいな」と感じるぐらいで問題ありません。それでもまだ足りないぐらいかもしれません。
もちろん、気持ちは態度でも伝わります。無言の「早くしなさい圧」が出ないようにしたいですね。待ち時間が長くなりそうなら、ぼんやり天井や外の景色などを眺めておきましょう。沈黙は子どもへのプレゼントです。
沈黙が続くと「こうじゃないの?」「〇〇でしょう?」と言いたくなる気持ちもわかります。子どもの成長・成功・幸せ・自立を望まない親はいませんからね。
親であれば、誰もが我が子に「こうなって欲しい!こうはなって欲しくない!」という期待や希望を持っているものです。ところが、親としてのこうした「善かれと思っての期待」が、むしろ、子どもの「頑張ろう!困難を乗り越えよう!」というやる気を奪っているとしたら、私たち親はどうしたら良いのでしょうか?
私たち親は、子どもを愛しているばかりに、善かれと思って、本来子どもが「自分で解決すべき課題」に土足で踏み込んでしまいます。習い事の練習、学校の宿題、忘れもの、子どもの部屋の片づけ、子どもの交友関係、朝寝坊、きょうだい喧嘩などは、すべて「子どもの課題」です。
例えば、子どもがお友達と喧嘩したとします。
■友だちとケンカした子どもに
子ども「……」
保護者「ケンカしたら『ごめんなさい』って言うんじゃないの?」
子ども「……」
保護者「お友だちと仲良くしたいでしょう?違う?」
子ども「……うん」
保護者「そうだよね?ほら、今すぐ、仲直りしたほうがいいよ!」
このように、「子ども自分で解決すべき課題」に、親が土足で介入し、提案やアドバイスをすることは、はたして子どもにとって良いことなのでしょうか?そして、子どもの気持ちはどうでしょう。子どもの心の声に耳を傾けてあげないと、きっと考えること自体、憂鬱に感じてしまうかもしれません。
親の正解が子どもの正解とは限りません。答えは与えるものではなく、子ども自身の中にあります。親は信じて子どもの反応を待って、子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大事です。
子どもは大人のようには、考えたりまとめたりできないかもしれません。そして、子ども時代は、まさに「自分で考える」練習をたくさんすべきです。もどかしいことも多々ありますが、沈黙という「考えるチャンス」は十分に与えてあげてくださいね。
ここで親の正しい姿勢は、その場で結論が出なくてもよいと心得ておくことです。きっと親御さんの中には、答えが出ずに話し合いが終わることが嫌だと感じる方も多いでしょう。しかし、必ずしも話し合いの時間に結論を出さなくてもよいと、子どもに時間を与えてあげてください。
時間や人との兼ね合いで、急ぎで答えが必要なこともあります。ただ、そうじゃない時は、子どもに問いかけたまま、沈黙のまま会話を終えて構いません。その後子ども自身で、なんとなく消化されていくこともあるし、何日か経って自分から考えを言ってくることもあるでしょう。子どもは自分のペースで、自分なりの答えを探します。
時間の許す限り「ゆっくり考えていいよ」「決まったら教えてね」と、優しく気持ちに寄り添ってあげてください。そして「困ったときは、いつでも相談してね」と、子どもが安心できるよう伝えてあげましょう。
「沈黙は子どもへのプレゼント!自信を持って発言できる子どもに育てる秘訣」はいかがでしたか?
親は善かれと思って、子供の言動に口を挟みたくなります。しかし、人間は自ら成長する力を持っています。
なぜなら、問題解決するのは悩んでいる人にしかできないからです。子どものことを思うと、あれやこれやと言いたくなりますが、子どもが自分で解決できることを信じて待つことで、親子の信頼関係を深めます。
もし、子どものほうからアドバイス求めてくれば、必要最低限のことを話し、一緒に考えていくという姿勢が良いです。答えをせかさない、先回りして言わない、ただ黙って待つ。これができれば、子どもは自分の問題を自ら解決し、自信をもって発言できる大人へと成長しますよ。
子育ては想像以上に大変なことがたくさんあります。一人で悩まず、いつでもお気軽にご相談くださいね。
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