「うちの子には、どうも自主性が足りないみたいで……」という悩みを持つ、お母さんお父さんは多いかと思います。
自主性とは、子どもが一人立ちし立派な大人になっていくため、なくてはならない要素です。できないことはすぐに親に頼ったり、なかなか自分から勉強を始めなかったりするわが子の姿を見ると、親としてはつい心配になってしまいますよね。
それでは、この悩みを解決するためには、どのように子どもと接すれば良いのでしょうか?
そこで今回は、子どもの自主性を高める方法について徹底解説いたします。
✔自主性がない子どもとは?
✔自主性のない子どもに待ち受ける壁
✔子ども自主性を高める3つのポイント
もくじ
自主性がない子どもとは、どのような子どもを指すのでしょうか? 具体的には以下の特徴が挙げられます。
例えば、子どもに夕食に何を食べたいか聞くと「何でもいい」なんて答えが返ってくることはないでしょうか? 子どもの「何でもいい」という言葉には、「(親が食べたいものなら)何でもいい」というニュアンスが含意されています。つまり、答えは人が与えてくれるものであり、自分はそれに合わせていればいい、という思考パターンが身についてしまっているのです。
「良い子にしなさい!」「できるようになりなさい!」と高圧的なしつけをしていると、子どもは自分の意見を主張することが怖くなり、「何でもいい」という受動性を身につけてしまいます。親の期待に応えられるよう、自己主張を抑えているのです。
受け身の言動しかできない子どもに対しては、まず自分の気持ちを把握し、はっきりと主張できるよう促す必要があります。親は、子どもがストレスを感じるしつけ方をしていないか、子どもの気持ちを無視してしまっていないか、見直してみましょう。
「嫌だ」と言わない子は、親の目から見れば一見、いい子かもしれません。しかし「嫌だ」は大切な自己表現の一種です。「嫌だ」を言えないということは、自分の意志が弱くなっているか、自分の気持ちを押し殺しているのかもしれません。
嫌だと言えない傾向は「親からどう見られるか」を過剰に気にする優等生タイプの子どもによく見られます。親に自分の言葉を否定されたり、価値観を押し付けられたりした経験から、親が不機嫌になることを恐れるようになっているのです。
優等生タイプの子どもは、親の顔色をうかがっているうち、親が期待する答えを自分の本当の願望だと錯覚してしまっています。無意識に本当の思いを抑圧しているため、何かのきっかけで突然、感情を爆発させやすいという傾向もあるので要注意です。子どもの気持ちを汲み取って、接する必要があります。
何かを嬉しいと感じたり、悔しいときに泣いたりすることは立派な自己表現です。人間にとって、喜怒哀楽の感情はとても大事。しかし、感情表現が乏しい子どもは、自分の好き嫌いがわからなかったり、周りの目を気にして自分の気持ちを抑圧したりといった可能性があります。感情は他者とのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、やる気や好奇心の源でもあるため、自主性の発達と深く関係しています。
例えば、トライ&エラーを繰り返した末に何かを成し遂げたとき、「やったー!」という強い喜びの感情を覚えますよね。自分で判断し、自分の手で何かをすることによって、はじめて喜怒哀楽の感性は磨かれていくのです。
もし、親が、子どもに試行錯誤させることなく「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」「そんなことしたらダメだよ」などと最初から手を貸してしまったら、せっかくの学びの機会が失われてしまいます。子どもの感情表現が乏しくなる原因のひとつは、親の過干渉にあるのです。
「嫌だと言えない」「言動が受け身」「感情表現が乏しい」という特徴が子どもに見られた場合は「自主性が弱いんじゃないか?」「自主性を妨げるような育て方をしていないか?」と少し疑ってみましょう。
それでは、自主性のない子どもは、将来どのような大人になるのでしょうか?
子どもの未来のために、一緒に考えていきましょう。
自主性のない子どもは、他人にばかり判断を委ねるので、すべての物事が「他人事」になってしまいます。大事なことは人任せにし、言われたことしかやらないという姿勢は、学生時代にはまだ通用するかもしれませんが、社会に出るとそうはいきません。仕事においてもプライベートにおいても、自分から行動を起こし、行動の結果に責任を持つ必要があるのです。
自主性がないままだと、責任感がなく、当事者意識の希薄な人になってしまう恐れがあります。失敗を他人のせいにし、挑戦することから逃げてばかりいる人にとって、社会の中で活躍することは困難です。子どもを社会で活躍させたいのなら、幼いうちから自分で選択し、判断する経験を積ませてあげることが大事になります。
自主性のない子どもは将来、自分から行動を起こせない「指示待ち人間」になってしまうかもしれません。判断力や実行力がない「指示待ち人間」は、世の中で活躍することが難しいと感じます。
例えば、会社の上司や先輩は、学校の先生のように、宿題や課題を与えてくれません。「あれをやれ、これをやれ」といちいち指示をくれるわけではありません。一人前の大人として働くには、指示を待たずとも何をやるべきか判断できる能力が求められるのです。
特に、近代では人工知能(AI)が発達しつつある現代においてはなおさらです。「指示通りに動く」ことが求められる作業は、近い将来、ほとんどが人工知能に取って代わられてしまうでしょう。これからの時代には、自主的にやるべきことを考え、「自ら学ぶ」「自ら考える」姿勢を持つことがいっそう重要になってくるのです。自主性のない人間は、そのような時代を生き残っていけるのか、不安になりますね。
社会生活を送るにあたって、自主性は欠かせません。会議で意見を述べたり、率先して仕事を進めたりすることはもちろんですし、自分から積極的に歩み寄らないと良好な人間関係を築くこともできません。自己主張をして初めて、社会はその人の存在を認識し受け入れてくれるのです。
そのため、自主性のない子どもは将来、社会から置いてけぼりにされたり、孤独感を感じたりすることになってしまいます。相手の期待に沿うコミュニケーションしかとれず、うまく自己表現ができなくなるかもしれません。そのため、人の意見に合わせるだけの人生になったり、人の顔色ばかりうかがうようになります。
それでは、あまりに悲しい未来だと感じませんか?
自主性というものが、子どもの自立にとっていかに大切なステップかご理解いただけたと思います。
それでは、子供の自主性を高める3つのポイントをお伝えします。
子供の存在を肯定する効果的な方法は「ハグ」です。
ハグは、親子のコミュニケーションの一つですね。ハグをすると、子どもの精神状態が安定し、自主性が伸びると言われています。子どもの声に耳を傾け、気持ちに寄り添い優しく抱きしめてあげましょう。
また、子どもが興味関心を持つことに対して、肯定してあげることも大事です。興味を持つということは、何か特定のことをやりたい、特定の何かについて知りたいという欲求が芽生えているということ。その興味が親に肯定されると、子どもは自分自身の存在まで肯定されたような気になり、やる気はますます高まります。親は子どもの自主性の向上を邪魔しないよう、子どもの興味は自由に伸ばしてあげましょう。
自主性を育てるには、子どものやることになるべく口出ししないようにしましょう。また、頭ごなしに否定することもやめましょう。親があれこれと先回りしてしまうと、子どものせっかくのやる気が奪われ、自主性が育ちにくくなってしまいます。わが子のためと思うとつい干渉したくなってしまいますが、ぐっとこらえてみてください。
ただし、子どもに対し「無関心」になれ、というわけではありません。子どもから完全に目を離すのではなく、何か危険が迫ったときにすぐ飛び出せるよう、きちんと見ていてあげることが大切です。例えば、「まずは自分でやってみて、困ったときは頼ってね」など、言葉かけをしてあげると、子どもは安心して挑戦することができます。親の見守りがあってこそ、子どもは安心して自主性を伸ばすことができるのです。
親の考える「正解」を子どもに押し付けてはいけません。なるべく子どもに、自分で考えたり選んだりする機会を与えることが大事です。例えばおやつの時間には、単にお菓子を渡すのではなく「どっちがいい?」とあえて複数から選ばせる。
また、子どもが「わからない」「どうやればいいの?」などと頼ってきたときは、すぐ答えを教えずに「あなただったらどうする?」と思考を促す、といった小さなことを積み重ねてみましょう。
自分で考え、選択することで子どもは自分の意見に自信を持つようになります。また、解決できない問題に直面したとしても、知識がないなりに考え、自分なりの答えを導き出そうと努力するのです。子どもを子どもと侮らず、対等に接することもまた、自主性を身に付けさせる「動機づけ」になります。
「子どもの自主性を高める3つのポイント!子どもに安定した生活を送ってもらう秘訣」はいかがでしたか?
子どものためによかれと思ってやったことでも、過干渉は子どもの自主性を妨げるだけでなく、「子ども個性」を伸ばせなくなる可能性があります。
愛する我が子には、自分の意見を素直に言える、逞しい大人に育ってほしいと感じます。子どもをコントロールしようとするのではなく、適切な距離感を保って接してみてくださいね。
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