「40歳後半になってからイライラすることが増え、夫や子どもに八つ当たりしてしまう」「理由もなく物事に不安を感じるようになった」など、心の不調を感じていませんか?もしかすると、更年期による女性ホルモンの崩れが関係しているかもしれません。
更年期になると、以前は気にしなかったことやちょっとしたことにイライラしたり、怒りやすくなるなど、感情のコントロールが難しくなることがあります。またストレスがたまっていくと、うつ病などの精神疾患に進んでしまう可能性もあるので、早めの対処が必要です。
多くの女性が迎える更年期による不調は、原因と適切な対処法を知っておくことで、日常生活を快適に過ごせるようにまで緩和させることができます。
そこで今回は、更年期のイライラを解消する5つのヒントについて徹底解説いたします。更年期における「イライラ」「怒りっぽくなる」「気分が落ち込む」原因を一緒にみていきましょう。
✔更年期におけるイライラと不安の原因とは?
✔更年期のイライラを解消する5つのヒント!
✔夫婦で更年期対策を始めよう!
もくじ
女性の更年期とは閉経を挟んだ前後5年の時期であり、50歳を中心にした前後5年(あわせて10年)程度の期間のことを言います。この時期は20~30代でピークを迎えた女性ホルモンの分泌が急激に低下していく時期であり、この女性ホルモンの急激な低下に伴って現れる心身の症状を更年期症状と呼んでいます。
更年期症状は、主に以下の例が挙げられます。
更年期の特徴的な症状として有名なものにホットフラッシュがありますが、冷えやめまい、頭痛、不眠や精神的な不安定さなどもよく見られる症状です。これらは女性ホルモンである「エストロゲン」が減少したことで自律神経が乱れ、さまざまな身体の調節機能が上手く働かなくなることで現れます。
ただし、更年期症状は全ての女性で同じように起こるわけではありません。閉経に向けたホルモンの減少以外にも、加齢による見た目の変化が引き起こす心理的なストレスや家庭や仕事の変化などによる社会的なストレスなどさまざまな要因が絡み合い、それぞれ違った形で現れるのです。
私たちの体は、ストレスを受けるとさまざまなストレスホルモンを分泌します。これが循環器系や呼吸器系、消化器系、免疫系などに影響するため、動悸、息切れ、食欲不振、疲労などをひき起こし、更年期障害を悪化させてしまいます。
また、エストロゲンやテストステロンなどのバランスをくずし、老化現象を早めることにもつながります。そのためストレス解消は、更年期を上手に乗り切る基本ともいえます。ここでは、更年期のイライラを解消する5つのヒントをご紹介いたしますね。
まずは、気の巡りを良くする食品を摂り入れましょう。毎回の食事が、東洋医学的に考える生命エネルギーである「気」の元です。無理なダイエットはせず、1日タンパク質50g、野菜350gをバランスよくとるように心がけましょう。
特に、納豆や豆腐などの大豆食品に多く含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た成分なので積極的に摂ると良いです。また、ビタミンCとB群を含む緑黄色野菜には代謝を助け、気持ちを落ちつかせてくれる効果が期待できます。ビタミンDは日光を浴びるだけでも増やすことができるため、可能な限りは外出する機会を増やしてみましょう。
生姜、ねぎ、にんにく、セロリ、春菊などの香味野菜には、気の巡りをよくしてイライラを解消する働きがあります。更年期は高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症しやすい時期でもあるので、食生活をきちんと見直してみることが大切です。
イライラを解消するには、ストレスをためないことが大切です。7時間以上の睡眠を十分にとり、身体的にも精神的にも疲労を回復させてあげましょう。良質な睡眠をとるために、以下のことを実践してみてください。
この2つを心がけるだけでも、睡眠の質は高まります。交感神経を活発にするカフェインは寝る4時間前からは摂らないようにし、アルコールは睡眠を浅くするので、特に就寝直前の飲酒は避けましょう。
一番入眠しにくいのは、不安なことや怒りを感じる出来事を考えることです。逆に、一番入眠しやすいのは幸せを感じることです。寝るときは幸せなことだけを考えるようにしましょう。幸せを感じたひと時を思い出したり、これから楽しみにしている家族旅行などをぼんやり考えると良いです。
ストレスをためないために、自分なりのリラックスできる方法を見つけてみましょう。例えば、朝日を浴びたり、アロマやハーブなど香りを取り入れた癒しなどもおすすめです。お気に入りのリラックス方法を見つけてみてくださいね。
植物から抽出した精油を使って、心と体を健康にする自然療法のアロマテラピーは、多くの女性が悩む更年期の症状にも効果が期待できます。特に、クラリセージ、サイプレス、ゼラニウムの香りがおすすめです。入浴時やマッサージするときに使用するとリラックスできます。
その他、好きな香りのハーブティーを楽しむこともおすすめです。ミントティーの香りは気持ちをリフレッシュさせてくれますし、ハッカは気の巡りをよくする効果も期待できます。ジャスミンティーやカモミールティーも気の巡りをよくするので、更年期のイライラ対策にぴったりです。
更年期障害におすすめの運動は、ウォーキングです。全身運動により、更年期で乱れた自律神経が整うため、更年期症状の緩和だけでなく悪化の予防にも役立ちます。ウォーキングなどの有酸素運動は脂肪を落とす運動としても適しているため、ダイエットにも効果的です。
また、スクワットや上体起こしなどの筋力トレーニングもおすすめです。ある研究では、レジスタンス運動(筋肉に負荷をかける運動)をすることで、運動をしない場合と比べてメタボリックシンドロームのリスクが低下するといわれています。
たまに激しい運動をするよりも、自分のペースでできる運動を毎日続けるほうが大切です。更年期にどんな運動から始めればいいかわからない方や、日頃の運動不足を解消したい方は、手軽に始められるウォーキングから取り入れましょう。特に運動の習慣がない人は、ヨガやダンスなどの楽しく続けられる運動を選ぶといいですね。
イライラの症状の改善には、抗不安薬の服用や即効性のあるホルモン補充療法に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もおすすめです。
ホルモン補充療法ができない人や望まない人には、漢方薬や向精神薬、睡眠薬などによる治療も行われます。漢方薬は、体質や症状によってはかなりの効果がみられます。
ただし、漢方薬にも作用が強いものや副作用があるものもあるので、かかりつけ婦人医・薬剤師をつくり、日常のふとした不調も気軽に相談しましょう。自己流の使い方ではなく、医師の指導を受けることが大切です。
更年期症状は女性だけではなく、男性にも起こる場合があります。特に40代以降には、ホルモンの乱れに伴うイライラや疲労感など、更年期症状が出やすくなるため注意が必要です。
男性更年期障害(LOH症候群)は、加齢と共に男性ホルモンが徐々に減少することによって起こる様々な症状のことを指します。男性は加齢とともに男性ホルモンが徐々に減少してくるために、更年期障害の診断が困難である場合があります。
また女性の更年期障害はホルモンバランスが安定してくると症状が落ち着くことがほとんどですが、男性更年期障害は長期にわたって症状と付き合い続ける可能性が高いことも特徴です。
気心の知れた夫婦だからこそ、ついつい余計な一言を発してしまい、夫婦喧嘩になってしまいやすいものです。しかし、更年期が原因で夫婦関係がギクシャクしてしまっている場合、「夫婦で更年期障害なのかもしれない」と考えられると、夫婦で話し合うきっかけにもなり更年期対策をすることができます。
更年期は「いたわりの言葉」で気持ちが楽になります。例えば、「前みたいに食が進まなくて」「眠りたいのに眠れないんだよね」などと、更年期にはこんな言葉が増えていくものです。こうしたときにパートナーから「無理にでも食べなきゃダメだよ」「眠れないなら起きて仕事すれば」などという言葉をかけられると、二の句を継げなくなってしまいます。
人が不調を訴えるときに第一声としてかけてほしいのは、受容や共感の言葉です。「食べられないとつらいよね。無理しないで」「眠れないときには、一緒に横になろう」……こんなやさしい語りかけがあれば、気持ちが楽になると思いませんか?
心身の不調を感じやすい更年期は、夫婦の絆が試される年代です。若いころのような美しさや雄々しさが失われ、体力や持続力の衰えを感じ始める年代にこそ、夫婦は互いを思いやり、まろやかなやさしさを持ち続けていくことが必要になります。
人と比べたりせず、 目の前にいるパートナーは唯一無二の存在だと思い、更年期から始まる後半生を夫婦で仲良く過ごしてくださいね。
「更年期のイライラを解消する5つのヒント!更年期におけるイライラと不安の原因とは?」はいかがでしたか?
女性の更年期症状には、ホルモンの減少と身体的・精神的なストレスが大きく関わっています。この世代は忙しさや将来に対する不安などからどうしてもストレスがたまりやすい世代でもあります。
上手に睡眠や休息を取って体調を崩さないようにすることはもちろんですが、ホルモンの減少が少しでも緩やかになるように、食事療法や適度な運動を取り入れて健康的な体を作るように心がけてください。
また、どこにもぶつけようのない不安感やイライラは、カウンセリングを受けて気持ちの整理をすることもおすすめです。一人で抱え込んでしまうと心が疲れてしまいます。どんな些細なことでもお気軽にご相談くださいね。
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